物流DX化ってなに?IT化とDXの違いも合わせて解説します
〜現場をラクにするヒントをやさしく解説〜
CONTENTS
- 物流DX化ってなに?カンタンに説明します
- 物流のどこがDX化できるの?
- DX化すると、どんないいことがあるの?
- 物流DXを進めるにはどうすればいい?
- 気をつけたいポイントは?
- 神谷商店が大事にしているDXのカタチ
- まとめ:DXで物流の仕事をもっとやさしく!

◾️物流DX化ってなに?カンタンに説明します
物流DX(ディーエックス)とは、「物流の仕事を、ITやデジタルの力で便利に・効率よく変えていくこと」です。
たとえば、今まで紙でやっていた在庫管理をパソコンでできるようにしたり、商品を自動で仕分ける機械を導入したりすることも「DX化」にあたります。むずかしく聞こえるかもしれませんが、実は身近な変化のことなんです。
最近では、「人手不足で困っている」「作業にムダが多い」「もっと早く・正確に出荷したい」といった悩みをもつ企業が多くなってきました。そこで注目されているのが、デジタル技術を使って物流を進化させる“DX(デジタルトランスフォーメーション)” という考え方です。
このあと、「そもそもDXってなに?」「どこに効果があるの?」「どうやって始めるの?」という疑問もやさしく解説していきますので、初めての方でも安心して読み進めてくださいね。
◆そもそもDXってなに?
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉、最近よく聞くけれど、意味がよくわからない…そんな方も多いと思います。
カンタンにいうと、「デジタル技術で“やり方そのもの”を変えること」 がDXです。
たとえば、単に紙からパソコンに変えるのは「IT化」ですが、パソコンを使ってまったく新しい仕組みやルールを作るのが「DX」です。
物流業界に当てはめると、「在庫を手書き表で管理 → ITシステムで自動管理」はIT化。
でも「在庫データをリアルタイムに共有して、販売から出荷までを自動連携する」など、業務全体のしくみを変えるのがDXです。
以下の表で、「IT化」と「DX」の違いをまとめてみました。
IT化とDXの違い(物流での例)
項目 | IT化(デジタル化) | DX(デジタルトランスフォーメーション) |
目的 | 作業を便利にする | ビジネスのやり方そのものを変える |
例 | 紙の伝票をExcel管理に切り替える | 在庫・受注・出荷をシステム連携して自動化 |
使う技術 | パソコン、表計算ソフト、バーコードなど | クラウド、AI、IoT、WMSなど |
影響の範囲 | 一部の作業・工程 | 会社全体・業務の仕組み |
ゴール | 作業スピードや正確さの向上 | コスト削減・人手不足解消・サービス向上など |
つまりDXは、「道具を変える」だけでなく、「働き方やしくみを根本から変えること」がポイントなんです。
◆物流DX化で何が変わるの?

物流DX化を進めると、現場の作業や管理の仕方が「人の経験と勘」から「データと自動化」に変わっていきます。
これは単なる機械導入ではなく、「仕事のやり方」そのものが変わる大きな変革です。
たとえば、紙に書いていた在庫管理がタブレットでリアルタイムにできるようになったり、人が手で探していたピッキング作業が自動で最短ルート表示されるなど、「速い・正確・わかりやすい」現場になります。
では、具体的にどんなところが変わるのか、以下のようにまとめました。
★物流DXで変わること一覧
項目 | 従来のやり方 | DX化後の変化 |
在庫管理 | 手書き・表計算ソフトで更新 | クラウドでリアルタイムに自動更新 |
作業手順の共有 | 口頭指示・紙の手順書 | タブレットや動画マニュアルで誰でもすぐ理解可能 |
出荷チェック | 目視確認・ダブルチェック | スキャンで誤出荷ゼロ・アラート機能付き |
担当者依存 | ベテラン頼みの業務 | 誰が作業しても同じ品質で出荷できる |
お客様対応 | 電話・FAX中心の対応 | チャット・自動通知でスピードアップ |
ポイントまとめ
- 「感覚」や「経験」に頼っていた仕事が、誰でもできる「仕組み」になる
- 「見える化」で在庫・進捗・ミスを即確認できる
- 「正確で早い」作業ができて、クレーム・ミスも大幅に削減
◾️物流のどこがDX化できるの?

物流DX化は、ただITツールを使うだけではありません。現場の流れや課題を見直して、「ムダなく・見える・スムーズ」な仕組みをつくることがポイントです。ここでは、特に効果が出やすい3つの領域について紹介します。
◆倉庫の管理や在庫の見える化
在庫がどこにあるのか、いくつあるのかをすぐに把握できる状態にするのが「見える化」です。これができていないと、以下のようなことが起こりがちです。
課題 | よくあるトラブル |
在庫数の把握がアナログ | 売り切れの商品を誤って受注 |
ロケーションが分かりづらい | 商品を探すのに時間がかかる |
担当者の経験に頼っている | 担当者がいないと対応できない |
そこで、WMS(倉庫管理システム)などを使って、商品ごとに「何が・どこに・いくつ」あるかをリアルタイムで管理すれば、誰でもすぐに状況を把握できます。棚卸作業もスピードアップし、誤出荷のリスクも減らせます。
◆荷物のピッキングや仕分けの自動化
ピッキング(商品を集める作業)や仕分け作業には、人手と時間がかかります。ここに自動化機器やAIの導入が進んでいます。
自動化の例 | 効果 |
自動搬送ロボット(AGV) | 指定の場所に商品を自動で運ぶ |
デジタルピッキングシステム | 取り出す商品をライトや画面で指示 |
AI仕分けシステム | 商品を自動で送り先ごとに分ける |
これらを導入することで、作業ミスが減り、人手不足にも対応しやすくなります。繁忙期でも安定した出荷体制を保つことが可能になります。
◆紙をなくして、スマホやパソコンで管理
今でも紙の出荷指示書や在庫表を使っている現場は多いですが、紙からデジタルへの移行は大きな効果を生みます。
従来のやり方 | DX化したやり方 | メリット |
紙の出荷指示書 | タブレットで出荷内容表示 | 情報更新が即時でミスが減る |
手書きの伝票控え | クラウドでデータ共有 | 紛失・記入ミスの防止 |
電話・口頭での連絡 | チャット・社内ツール活用 | 情報の伝達が速く正確 |
ITツールを取り入れることで、事務作業の効率もグンと上がります。特に複数の現場がある会社では、情報の一元化が大きな強みになります。
このように、物流業務の中でも「見えない」「分かりにくい」「手作業が多い」工程を中心にDX化を進めることで、現場全体のスピード・正確さ・柔軟性がぐっと向上します。
◾️DX化すると、どんないいことがあるの?

物流現場でDX化を進めると、単なる作業のIT化にとどまらず、仕事のやりやすさ・スピード・コストにまで良い影響を与えます。ここでは、主な3つのメリットをわかりやすく紹介します。
◆人手が少なくてもまわせる
少子高齢化や人材不足が続く中、DX化は“限られた人員で効率よく働く”ための強力な武器になります。
項目 | 内容 |
自動ピッキング | 経験が浅いスタッフでもミスなく対応できる |
作業ガイドのデジタル化 | 手順が明確で教育コストが削減できる |
データによる管理 | 作業進捗や在庫状況をリアルタイムで確認できる |
誰でもすぐに作業ができる仕組みが整えば、属人的な体制から抜け出し、急な人員変更にも対応できる柔軟な現場になります。
◆ミスが減って仕事がスムーズに
出荷ミス・在庫違い・伝票の間違いなどは、顧客の信頼にも関わる重要なポイント。DX化によって情報の一元化と自動化が進めば、こうしたミスも大きく減らせます。
従来の課題 | DX化による改善 |
手書き伝票で数字ミス | 自動入力やバーコード管理でミスを防止 |
担当者の記憶に頼った出荷 | デジタルチェックで誰でも正確に対応できる |
出荷後の確認が困難 | 履歴や在庫状況をすぐに確認・修正できる |
これにより、作業のスピードも上がり、スタッフのストレスや再作業の手間も大きく軽減できます。
◆ムダが減ってコストもカット
DX化によって「余計な作業」「無駄な時間」「不要な資材」などを削減でき、物流コスト全体を見直すことができます。
コスト削減ポイント | 具体的な内容 |
配送回数の最適化 | 在庫状況の把握でまとめ出荷が可能 |
梱包資材の節約 | 自動計算により適切な梱包サイズを選定 |
作業時間の短縮 | 手順の見える化・デジタル化で時間のロスを回避 |
このように、“見えなかったムダ”が数字として見えるようになるのもDX化の大きな魅力。少ない資源で最大のパフォーマンスを出すことが可能になります。
この章では、DX化によって得られる“実際の効果”に焦点を当てました。現場の効率やミス削減、コスト見直しといった改善は、すべてが企業全体の強みにつながります。
◾️物流DXを進めるにはどうすればいい?

DX化はただシステムを導入するだけでは成功しません。大切なのは「自社に合ったやり方で、現場がきちんと使いこなせる仕組みを作ること」です。ここでは、無理なくスタートするための3ステップをご紹介します。
◆まずは「困ってること」を整理しよう
最初にやるべきことは、「どこで困っているのか」「どこを変えたいのか」をはっきりさせることです。
チェックポイント例 | 内容例 |
ピッキングに時間がかかっている | 商品の場所が分かりにくく、探す時間が長い |
出荷ミスが多い | 注文と伝票の突合せが手作業になっている |
在庫が合わないことがある | 棚卸しが手書き・更新が遅れている |
こうした課題は、現場のスタッフが一番よく知っています。現場の声をヒアリングして、具体的な課題リストを作ることが出発点になります。
◆みんなで話し合ってスタート
DXは一部の人だけで進めても、現場全体に広がらなければ意味がありません。だからこそ、部門をまたいだ話し合いがとても大切です。
話し合うべきこと | 目的 |
「どの業務を変えるか」 | 目標を明確にし、導入範囲を絞る |
「誰が中心となって進めるか」 | リーダーを決めて情報の共有や進行管理を明確に |
「現場にどんな不安があるか」 | 早い段階で声を拾い、不満や抵抗を減らす |
“みんなで決めて進める”姿勢が、現場に浸透するDXを実現するカギです。
◆使いやすい道具やシステムを選ぶ
DX化の失敗の多くは「難しすぎるツールを選んだ」ことが原因です。大切なのは、誰でも直感的に使える“シンプルな道具”を選ぶことです。
ツール選定のポイント | 解説 |
スマホやタブレットで使えるか | 現場で操作しやすく、教育コストも下がる |
既存のシステムとつながるか | 二重入力が不要になり、作業がスムーズになる |
サポート体制があるか | 操作ミスやトラブル時にすぐ相談できる |
「使いやすいかどうか」は、高機能かどうか以上に重要な判断基準です。
この章では、物流DXをスタートするための基本ステップをご紹介しました。ポイントは、「現場から始めること」と「みんなで進めること」。自社にあった一歩から始めることで、無理なくDX化を成功に導くことができます。
◾️気をつけたいポイントは?

物流DXを進めることで多くのメリットが得られますが、導入時に注意しないと「思っていたより大変…」「効果が出ない…」ということにもなりかねません。ここでは、よくある失敗や落とし穴を避けるために意識すべきポイントを3つ紹介します。
◆現場とシステムのズレに注意
便利なツールを入れたつもりでも、実際の現場に合っていないと逆に手間が増えてしまうことがあります。
よくあるズレの例 | 影響 |
倉庫の動線に合っていない操作画面 | 移動が多くなって作業が非効率になる |
実情とかけ離れたルール設定 | 作業者がルール通りに動けず混乱が生まれる |
ツールやルールは、“机上の理想”ではなく“現場でどう使われるか”を軸に考えることが重要です。導入前には、現場でのテスト運用や意見収集をしっかり行いましょう。
◆お金も時間もかかるかも
DXは「すぐに」「簡単に」できることではありません。導入するにはある程度の初期コストや教育時間が必要です。
費用・時間の内訳例 | 内容例 |
システムの導入費・月額利用料 | パッケージ費用やクラウド利用料 |
社内教育やマニュアル作成の時間 | スタッフへの研修や操作マニュアル作成 |
データの初期登録作業 | 在庫情報・商品情報の登録や棚番の整理など |
「最初のハードルは少し高め」ですが、長い目で見れば業務の効率化やコスト削減につながります。費用対効果を冷静に見て判断しましょう。
◆スタッフみんなが使えるようにする
DXの失敗でよくあるのが、「一部の人しか使えていない」「現場が混乱している」というケースです。
起きやすい問題 | 解決のための工夫 |
年齢層が高くITに不慣れな人が多い | スマホ操作がカンタンなツールを選ぶ |
教えてくれる人が限られている | 操作ガイドや動画マニュアルを用意する |
使い方がバラバラでミスが出る | 業務フローをルール化し、全員に統一する |
「誰でも使える」「みんなが同じ使い方ができる」ことを意識することで、現場の混乱を減らし、スムーズな運用が実現できます。
このように、DXを進める際は「導入前の準備」と「導入後の運用サポート」の両方が欠かせません。道具を入れて終わりではなく、「使い続けられる仕組みづくり」が本当の成功へのカギです。
◾️神谷商店が大事にしているDXのカタチ

物流DXとひとことで言っても、現場によって課題や状況はさまざまです。私たち神谷商店は「現場の声を中心にしたDXこそ、意味のある変化を生む」と考えています。導入することが目的ではなく、「使いやすくて、続けられて、成果が出る」DXを目指しています。
◆現場の声を大事にしたサポート
「難しくて結局誰も使っていない…」というDXでは意味がありません。
神谷商店では、現場スタッフが実際にどんな作業をしているか、どこで手間がかかっているかを一緒に確認した上で、システムや仕組みの改善提案を行っています。
神谷商店の取り組み | 内容 |
ヒアリングの実施 | 倉庫スタッフの作業内容・課題を丁寧に聞き取る |
試験導入で現場フィードバック確認 | 小さな範囲で導入して使いやすさを検証 |
現場改善×システム改善の両輪サポート | 作業動線やレイアウトの見直しも含めて提案 |
「現場が困らないDX」を進めるための伴走型サポートが、私たちのこだわりです。
◆使う人がラクになる仕組みづくり
多機能なシステムより、簡単に使える仕組みが物流DXでは大切です。神谷商店では、現場のスタッフが“自分たちで使いこなせる”ことを最優先にさらに業務の属人化をなくせるよう以下のような工夫を取り入れています。
工夫しているポイント | 具体的な内容例 |
直観操作ができるハンディターミナルの使用 | 現場スタッフでも臨機応変に対応できる簡単操作可能な端末を使用 |
各作業を階層分け!作業スキームを明確化!! | 作業を階層化しているので「今」「何の」「次の」作業をしているかわかりやすい |
基本は増減のみ!簡単講習で誰でもすぐ使える直観的システム | 押すボタンをシステムで色分けしているので初出勤スタッフでもすぐに使いこなせる! |
ミスをしてもシステムが反応! | ピックミスや仕分けミス、類似商品の間違えなど起こしやすいミスもハンディターミナルとシステムが音で教えてくれる! |
倉庫業の専門的知識がなくても誰でも使え、全員が「わかりやすく」「ミスゼロ」で作業できるようシステムでサポートを神谷商店では行っています。
このように神谷商店では、現場のリアルに寄り添いながら、「続けられるDX」を実現しています。新しい仕組みが“使いづらさ”を生まないように、一つひとつの工程を大切にサポートしていく姿勢が、私たちの強みです。
まとめ:DXで物流の仕事をもっとやさしく!

物流DX化は、「難しいことをする」のではなく、毎日の仕事をもっと“やさしく”するための工夫です。
たとえば――
- 在庫の場所がすぐにわかる
- 出荷ミスが減って安心できる
- 紙の伝票がいらなくなって、入力も手間いらず
そんな「ちょっとラクになること」が積み重なることで、現場の働き方も、会社全体の効率も、大きく変わっていきます。
そして、DX化は“ひとりではできない”取り組みです。現場の声を聞いて、チームで話し合いながら、一歩ずつ進めていくことが大切です。
神谷商店では、「まずは今の困りごとを整理する」ことから一緒にスタートし、「使いやすいDX」を現場と一緒に作り上げていきます。
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