大手EC物流会社とは?選定ポイントとメリット・デメリットを徹底解説
EC事業者向けの大手物流会社選定ガイド。最先端技術や海外対応力などの4つのメリットと、高コストや柔軟性の制限などの5つのデメリットを詳しく解説。予算・課題の明確化、サービス内容の確認、システム相性の3つの選定ポイントを軸に、比較表を用いて最適な物流パートナー選びを徹底解説!
目次
■大手EC物流会社とは?
〇EC物流の3つの特徴
〇大手EC物流会社の4つのメリット
■大手EC物流会社を検討する3つのポイント
〇選定チェックポイント
■大手EC物流会社の5つのデメリット
〇メリット・デメリット比較表
■大手EC物流比較検討まとめ
■大手EC物流会社とは?
EC物流とは、インターネットを介して行われるショッピングに関する物流業務を指します。近年EC物流が主流となり、利用している企業や個人が大幅に増加している傾向にあります。
大手EC物流会社とは、物流業界の「大手企業」が経営するEC物流サービス提供会社です。豊富な資源と実績を持ち、高度な技術力と広範囲なネットワークを活用して、EC事業者に包括的な物流ソリューションを提供しています。
〇EC物流の3つの特徴
1. ギフトラッピングにも対応できる EC物流はネットショッピングの中でも特に需要が多い「ギフトラッピング」に対応可能です。
ラッピング(のし)対応
メッセージカードの同梱
複数のお届け先への対応
これらのギフトラッピング対応を行うことができます。また、顧客とのトラブルを防ぐためにも、ギフトラッピング対応のルールを明確にすることが重要です。
2. 顧客によって個別対応が可能
EC物流は顧客によって個別対応を行うことも可能です。顧客に最適なチラシなども商品と一緒に同封することができ、結果的に売上アップにもつなげることができます。また、定期購入などのサービスも個別に設定することができることも、EC物流ならではの特徴といえるでしょう。
3. 品揃えが豊富である
EC物流は商品保管や梱包、配送などの流れが倉庫内で完結できるため、品揃えを豊富にすることができます。EC物流を利用している企業や個人は基本的にBtoC(企業対顧客)が多いので、配送先が多く1件あたりの商品数が少ないため、在庫管理もしっかりと行うことができ、人件費削減などにも効果的に働きます。
ただし、直接対面での接客ではないので工程ミスなどが発生してしまうと、顧客への信頼度が下がってしまいます。返品対応などの無駄なコストが発生してしまう可能性もあるので注意が必要です。
〇大手EC物流会社の4つのメリット
1. 最先端の技術を持っている
大手EC物流会社では最新の技術やセキュリティシステムを自社に導入していることが大きなメリットです。例えば、倉庫内作業の自動化システムなどがあります。自動化システムの導入により人件費の削減や24時間無休での稼働の実現など、倉庫全体のコストパフォーマンスの向上に成功している企業もあります。
このように、最先端の技術をいち早く導入しているのが大手EC物流会社の強みといえます。
2. 要望に柔軟に対応が可能である
クライアントの要望に合わせ、サービス内容の変更が柔軟にできる点は大手EC物流会社ならではのメリットです。大手EC物流会社は規模が大きいことや、提供するサービスの多様性などからサービス変更の希望が通りやすいため、クライアントの求めるサービスを臨機応変に作り上げることができます。
3. 海外への配送に優れている
大手EC物流会社の拠点は国内だけではなく、アジアをはじめ欧米やヨーロッパ、アフリカなど世界各国に存在しています。海外への対応力に優れた大手EC物流会社を利用することで企業のさらなる発展を目指すことができます。将来企業の海外進出を考えている事業者にとっては大きなメリットといえるでしょう。
4. 規模の大きな倉庫を持っている
大手EC物流会社は、一つあたりの倉庫の規模が大きいことに加え、全国に複数の物流拠点を擁していることが一般的です。倉庫の規模が大きければ大きいほど、取り扱える商品の種類や保管できる在庫の量が増えるので幅広い商品を提供できるようになります。これは顧客満足度の向上へとつながります。
また大手会社の物流拠点の多くは、港や空港、高速道路や主要鉄道沿いなど、交通の要地に存在しているため商品の移動も容易に行うことができます。
■大手EC物流会社を検討する3つのポイント
大手EC物流会社ならどこでもよいというわけではありません。自社に適したサービスを提供してくれるのか慎重に検討する必要があります。自社に適した大手EC物流会社を選ぶためには、以下の3つのポイントを調べることが重要です。
1. まず自社の予算や課題を確認する
サービス選定の際にまず「どのくらいの予算を大手EC物流会社に割くことができるのか」そして「その予算の中で優先して解決すべき課題は何なのか」という2つを確認しておくべきでしょう。
これを確認しておかなければ、たとえ優れた大手EC物流会社のサービスであってもミスマッチが起こってしまう可能性があります。この2つの点は、まず初めに確認しておくのがベストといえます。
2. サービスの内容が自社に適しているか確認する
導入しようと思っている大手EC物流会社のサービス内容をよく確認することが重要です。サービスの内容が複雑な場合でも、ネームバリューだけで詳しいサービス内容まで理解しないまま契約してしまい、結果的に失敗してしまったという事例はよくあります。
簡単な検索やネームバリューだけで決めてしまうのではなく、様々なサービスを打ち合わせをしながら慎重に比較・検討を行うようにしましょう。特に同様のサービスを提供している会社が2つ以上ある場合などは、どちらがより求めるところに近いか吟味していくことが重要となります。
3. 自社サービスとの相性を確認する
自社サービスと大手EC物流会社のシステムの相性が良いかどうかを確認することも、非常に重要です。どれだけ優れたサービスであったとしても自社のサービスやシステムと相性が悪いと効率が悪くなってしまうだけではなく、理想としていたことができずに終わる可能性も出てきます。
大手EC物流会社の中には、導入事例を公表している会社も多くあるので、これらの導入事例の中から自社のサービスと類似している会社を探し、再現性を確認することで相性の良いEC物流会社を選択するとよいでしょう。
〇選定チェックポイント
項目確認内容重要度予算・課題割当予算額、優先解決課題の特定高サービス内容提供サービスの詳細、自社ニーズとの適合性高システム相性既存システムとの連携可能性高導入実績類似業界・規模での成功事例中サポート体制導入後のフォロー体制中セキュリティ情報管理・セキュリティ対策レベル高
■大手EC物流会社の5つのデメリット
大手EC物流会社だからこそのデメリットも存在します。これらを理解した上で検討することが重要です。
1. コストが高くなる
大手EC物流会社を選ぶと、当然ですが委託料や送料が高くなる可能性があります。また、細かい要望があると追加費用が発生する場合も出てきます。高品質なサービスと引き換えに、コスト面での負担が大きくなることは避けられません。
2. 柔軟性が低くなる
大手EC物流会社の場合、効率化を考えてサービスが標準化されている場合があります。そのため個別のニーズに柔軟に対応できない場合があります。独自の要求や特殊な対応が必要な場合、制約を受ける可能性があります。
3. 情報共有が難しい
複数の企業と連携する場合など、情報の共有などに時間がかかる場合があります。例えば人的ミスなどが起きた場合の顧客対応などで柔軟な対応ができない場合があります。組織が大きいほど、意思決定や情報伝達に時間がかかる傾向があります。
4. ノウハウが蓄積されない
大手EC物流会社に委託することで、自社に物流のノウハウが蓄積されなくなることが考えられます。将来自社で物流倉庫を持とうと考えている場合などでは最大のデメリットになりかねません。長期的な視点での内製化を検討している企業は慎重な判断が必要です。
5. 責任の所在が曖昧になる
万が一ECサイトで買い物した顧客などとトラブルが発生した時、物流会社側なのか依頼した側なのか、どちらの責任なのかがわかりづらくなり、問題解決が難しくなる可能性があります。
何らかの問題が発生した際の取り決めなどを事前に決めてしまうことで、このようなトラブルを回避できるかもしれません。そのため、契約の際の条件なども十分にチェックする必要があります。
〇メリット・デメリット比較表
項目メリットデメリット技術・設備最先端技術・大規模倉庫高いコスト対応力柔軟なサービス変更・海外対応標準化による柔軟性の制限運営体制24時間稼働・複数拠点情報共有の遅れ専門性豊富な実績・ノウハウ自社ノウハウの蓄積不足トラブル対応組織的なサポート体制責任所在の曖昧さ
■大手EC物流比較検討まとめ
在庫管理や出荷処理などの業務をEC物流代行企業へ委託することで、これまで物流にかけていたコストや人員を、メイン事業の開発やサービス向上のために活用できるようになります。
大手EC物流会社は独自の物流網やシステムなどを持っていることが多いため、物流において有利になる一方で、コストが高く、また複数企業との取引を行っているためトラブルが起きた際などの反応が鈍かったりする可能性もあります。
取り扱っている商品やサービスの特徴、取り扱い規模などに合わせて、最適な大手EC物流会社を選びましょう。予算と課題の明確化、サービス内容の詳細確認、自社システムとの相性チェックの3つのポイントを軸に、メリットとデメリットを十分に比較検討することが成功の鍵となります。
長期的な視点で自社のビジネス成長を支える最適なパートナーとして、慎重に選定することが重要だと考えられます。
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