EC物流代行完全ガイド|サービス内容とメリット・デメリットを徹底解説

EC物流代行の基本知識から委託のメリット・デメリットまで完全解説。オムニチャネル対応、小ロット多品種管理など3つの特徴と、入荷検品から顧客サポートまでの主要サービス内容を詳しく紹介します
目次
■EC物流代行とは?
■EC物流代行の3つの特徴
■EC物流代行業者のサービス内容
〇基本サービス一覧
〇カスタマーサポート業務
■委託するメリット・デメリット
〇メリット・デメリット比較表
■EC物流代行まとめ
■EC物流代行とは?

EC物流代行とは、ECサイト事業者に代わって専門企業が物流業務を代行するサービスです。商品の入荷から配送、保管まで一連の物流業務を外部委託することで、EC事業者は物流業務にかかる負担とコストを大幅に削減できます。
2020年のコロナ禍以降、インターネット通販とEC市場の売上は急激に拡大し、今後もその成長は続くと予想されています。EC事業者の多くは複数のECサイトへの同時出店や、複数ブランド展開を行っており、実店舗や電話注文にも対応するケースが増加しています。
このような販路の複雑化により受注業務が滞ることも珍しくありません。顧客へ迅速に商品を届けるため、物流業務の外部委託は有効な手段となります。これにより、EC事業者は商品開発やマーケティングなどのコア業務に人員を集中投入することが可能になります。
■EC物流代行の3つの特徴
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EC物流代行は、通常の物流代行とは異なる独自の特徴を持っています。
1. オムニチャネル対応
オムニチャネルとは、顧客が商品やサービスを利用する際のあらゆる販路をシームレスに連携させ、統合された顧客体験を提供する戦略です。EC事業者は自社サイト以外にも複数のECモールへの出店や実店舗運営など、多様な販売経路を持っています。
EC物流代行を利用することで、物流業務の一括外注が可能になり、多様化したショッピングカートや顧客情報をAPI連携による受注管理システムで一元管理できます。これによりデータ解析が容易になり、リアルタイムのニーズや状況に応じたサービス展開が実現します。
2. 小ロット・多品種の物流管理
小ロット・多品種商品を扱うEC事業者が自社で在庫・物流管理を行うのは非常に非効率的です。EC物流代行業者は専門的なノウハウと最新システムを保有しているため、小ロットや多品種注文にも柔軟に対応できます。
専門システムによる効率的な在庫管理により、在庫切れを防ぎながら正確な物流管理業務を実現します。これにより、機会損失の削減と顧客満足度向上の両立が可能です。
3. スピーディーで正確な配送
EC物流代行業者は自動識別技術を活用することで、商品の誤送を効果的に防止できます。経験豊富な専門スタッフによる厳格な管理体制により、配送トラブルを未然に防ぎ、正確な配送を実現します。
また、複数の物流拠点を持つ業者が多いため、迅速かつ最適なルートでの配送が可能です。正確で迅速な商品配送は、直接的な顧客満足度向上につながります。
■EC物流代行業者のサービス内容
EC物流代行業者が提供するサービスは多岐にわたります。業者によってサービス範囲は異なりますが、一般的に提供される主要サービスをご紹介します。
〇基本サービス一覧
サービス分類 | 業務内容 | 主な効果 |
入荷・検品業務 | 商品の受け入れ、状態・数量確認、破損・欠品チェック | 品質保証、不良品排除 |
受注管理 | 注文受付、内容確認、出荷指示 | 受注ミス防止、タイムリーな出荷 |
在庫管理・保管 | 商品別保管、適正在庫維持、欠品・過剰在庫防止 | コスト最適化、機会損失削減 |
ピッキング・梱包・出荷 | 正確なピッキング、丁寧な梱包、最適配送業者選択 | 配送品質向上、破損防止 |
データ管理・分析 | 顧客・商品データ管理、高度な分析、レポート提供 | 売上向上、業務効率化 |
〇カスタマーサポート業務
EC物流代行業者の多くが、顧客満足度向上のために重要なカスタマーサポート業務も提供しています。
▶クレーム対応
- 商品不良に関するクレーム処理
- 配送トラブルに関する対応
- 返品・交換手続きの実施
- ECサイト事業者に代わる誠実な対応
▶問い合わせ対応
- 商品注文に関する質問対応
- 配送状況の確認対応
- 商品使用方法の説明
- 会員登録・ログイン関連サポート
これらのサービスにより、EC事業者は顧客対応業務からも解放され、より戦略的な業務に集中できます。
■委託するメリット・デメリット

EC物流代行業者への委託には、様々なメリットとデメリットが存在します。事前に十分な検討が必要です。
〇メリット・デメリット比較表
項目 | メリット | デメリット |
リソース | 本業への集中、適正化実現 | 物流ノウハウが蓄積されない |
コスト | 人件費・倉庫維持費削減 | 委託料によるコストアップリスク |
品質・技術 | 専門システム・高度技術活用 | 業者選定の難しさ |
対応力 | 繁忙期・イレギュラー対応可能 | 自社での柔軟な調整が困難 |
セキュリティ | 専門業者による管理体制 | 情報流出リスク |
〇主要メリットの詳細
▶リソースの適正化
物流業務のすべてを自社で行うには多大なリソースが必要で、事業拡大時には本業を圧迫する可能性があります。EC物流代行への委託により、コア業務に集中でき、リソースの最適配分が実現します。
▶物流機能のレベルアップ
物流専門のプロ集団による最新システムと経験豊富なスタッフの技術、専門的なアドバイスを受けることで、自社では実現困難な高レベルな物流機能を獲得できます。
▶イレギュラー対応力
繁忙期の人員調整、注文キャンセル・返品処理、クレーム対応など、予期しない状況にも柔軟に対応可能です。業務範囲も需要に応じて拡大できます。
▶主要デメリットの詳細
コストアップリスクとして委託料が予想以上に高額になる場合があります。
事前に詳細な費用対効果の分析を行い、自社運営との比較検討が重要です。
▶業者選定の複雑さ
各業者には得意分野があり、商材や業務形態に適した選択が必要です。また、重要な顧客・商品情報を預けるため、信頼性の高い業者選定が不可欠です。
▶ノウハウの蓄積不足
将来的な内製化を検討している場合、外部委託により自社に物流知識が蓄積されないことは大きなデメリットとなります。
▶情報セキュリティリスク
顧客の個人情報や商品情報など重要データを預けるため、万一の情報流出は事業に深刻な損害をもたらします。セキュリティ対策が徹底された業者選択が極めて重要です。
■EC物流代行まとめ

EC物流代行は、急成長するEC事業において欠かせない重要なサービスです。複雑化する販路とセキュリティなどの課題に対し、専門業者への委託により効率化、品質向上、コスト削減、リソース確保が期待できます。
ただし、業者選定には十分な検討が必要です。自社の商材や業務形態に適したサービス内容であるか、信頼性やセキュリティ対策は十分か、費用対効果は適切かなど、多角的な評価が重要です。
適切なEC物流代行業者との連携により、自社ビジネスの発展と顧客満足度向上を同時に実現し、競争力の高いEC事業を構築していきましょう。
長期的な視点での戦略的パートナーシップが成功の鍵となります。
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