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2024.12.17
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物流の未来を切り拓く!3PL(サードパーティーロジスティクス)の全貌を徹底解説
目次 ■3PL(サードパーティーロジスティクス)とは? ■3PLを導入するメリットとデメリット ■3PL事業者を選ぶ際のポイント ■物流アウトソーシングを成功させるポイント ■3PL(サードパーティーロジスティクス)まとめ ■3PL(サードパーティーロジスティクス)とは? 3PL(サードパーティロジスティクス)は、企業が物流業務を外部の専門事業者に包括的に委託する形態です。物流業務のアウトソーシングには段階がありますが、3PLはその中でも高度な形態であり、単なる輸送や倉庫管理の外注を超え、物流全体の設計や運営、戦略の立案までを委託します。これにより、企業はコスト効率と運用効率を大幅に向上させることが可能です。 物流形態の進化 1PL(ファーストパーティーロジスティクス): 荷主企業が全ての物流業務を自社で運営する形態。トラックや倉庫、人材を自社で保有し、完全な内部運営を行います。 2PL(セカンドパーティーロジスティクス): 輸送や倉庫管理など、一部の物流業務を外部に委託する形態です。これにより、自社の負担を軽減しつつ、物流全体の一部だけを外部に依存します。 3PL(サードパーティーロジスティクス): 物流業務全般を外部に委託する形態です。設計、管理、運営を一括して外部に委託し、企業の中核業務への集中を可能にします。 普及背景 3PLの概念は1990年代に欧米で普及し、日本では1990年代後半から導入が進みました。特にEC市場の拡大や物流ニーズの多様化により、効率的で柔軟な物流システムが求められたことが、3PL普及の背景にあります。企業にとって、3PL(サードパーティーロジスティクス)の活用は、固定費の削減、業務効率化、顧客満足度の向上といった大きなメリットをもたらしています。 ■3PLを導入するメリットとデメリット ◗3PL(サードパーティーロジスティクス)導入のメリット ①固定費を変動費化できる 物流施設やトラック、人材、システムなどの保有が不要になるため、固定費を変動費として管理できます。これにより、企業は需要に応じた柔軟な運用が可能になり、過剰な資産負担を避けることができます。 ②物流効率の向上 専門事業者のノウハウを活用することで、在庫配置の最適化、輸送ルートの効率化、配送精度の向上が図れます。これにより、商品がより早く顧客に届くようになり、顧客満足度の向上につながります。 ③コア業務への集中 物流業務に割いていた人材や資源を中核事業に投入することで、競争力のある製品開発やマーケティングに注力できます。特に中小企業にとっては、限られたリソースを効率よく配分する手段として有効です。 ④需要変動への柔軟な対応 繁忙期や予期せぬ需要増加時にも、3PL事業者がリソースを調整することで迅速な対応が可能です。これにより、自社で人材や設備を急遽用意する必要がなくなり、運用の柔軟性が向上します。 ◗3PL(サードパーティーロジスティクス)導入のデメリット ①依存リスク 物流全般を一社に依存することで、柔軟性が失われる可能性があります。また、事業者が対応できない業務領域が発生した場合、企業の物流運営全体に影響を及ぼす可能性があります。 ②ノウハウの空洞化 物流業務を外部に委託するため、社内にノウハウが蓄積されません。長期的には、物流戦略の設計や改善能力が低下するリスクがあります。 ③改善提案の停滞 3PL事業者が利益を優先する場合、物流効率化やコスト削減のための積極的な改善提案が行われにくくなる可能性があります。これを防ぐためには、適切な契約内容と関係構築が重要です。 ■ 3PL(サードパーティーロジスティクス)事業者を選ぶ際のポイント 1. サービス品質を重視 料金だけでなく、事業者が提供するサービスの品質が重要です。在庫管理の精度や配送ルートの最適化、配送ミスの低減といった具体的な実績を確認しましょう。また、定期的にサービスを評価し、パフォーマンスを維持できるか確認が必要です。 2. ICT活用度の確認 ICT(情報通信技術)の活用は、効率化と透明性向上の鍵です。在庫状況や配送進捗をリアルタイムで把握できる仕組みがあるか、配車スケジュールや予測機能を活用しているかを確認してください。 3. コンサルティング能力 単なる運用だけでなく、物流戦略全体を提案できる事業者が望ましいです。現状の課題分析や長期的な改善プランの提示が可能なパートナーを選ぶことで、3PLのメリットを最大化できます。 4. アセット型・ノンアセット型の選択 3PL事業者が自社設備を持つアセット型か、外部のリソースを活用するノンアセット型か、自社のニーズに応じて選ぶ必要があります。安定性を重視する場合はアセット型、柔軟性を求める場合はノンアセット型が適しています。 5. 現場対応力と実績の確認 提携する子請け業者の対応力や実績も重要です。特にラストワンマイルの配送対応力や、過去の顧客レビューをチェックすることで、事業者の信頼性を判断できます。 ■ 物流アウトソーシングを成功させるポイント 物流アウトソーシングを成功させるためには、戦略的な計画と明確な目標設定が欠かせません。ここでは、具体的な事例を交えながら、成功のためのポイントを解説します。 1. 自社の物流課題を明確化 ポイント物流アウトソーシングを始める前に、自社が抱える課題を洗い出すことが重要です。どの部分を委託すべきか、何を改善したいのかを明確にすることで、事業者とのスムーズな連携が可能になります。 【具体例:EC企業の課題解決】あるEC企業では、注文量が増加する繁忙期に自社物流システムがパンクし、顧客への配送が遅延する事態が発生していました。そこで、繁忙期のみ3PL事業者に一部の配送業務を委託することで、顧客満足度を維持しつつコストの最適化を実現しました。課題を明確にし、繁忙期のボトルネック部分だけを委託したのが成功の要因です。 2. KPIの設定とモニタリング ポイント3PL事業者に業務を委託した場合でも、その成果を評価するためのKPI(重要業績評価指標)を設定し、定期的にモニタリングを行うことが不可欠です。KPIは、配送時間、在庫管理の正確性、コスト削減率など、具体的で測定可能な指標であるべきです。 【具体例:アパレルメーカーのモニタリング】アパレルメーカーが3PL事業者に物流業務を委託した際、KPIとして「配送遅延率を1%未満に抑える」「在庫精度を99%以上に維持」といった指標を設定しました。事業者との定期ミーティングでこれらのデータを共有し、必要に応じて業務フローを改善。結果として、顧客満足度が向上し、返品率も低下しました。 3. 柔軟な契約形態の採用 ポイント物流業務の変化に対応するためには、契約内容に柔軟性を持たせることが必要です。繁忙期だけの短期契約や特定業務のみを委託する部分契約など、状況に応じた形態を検討しましょう。 【具体例:小規模食品メーカーの部分委託】小規模な食品メーカーが3PL事業者に「常温商品の配送のみ」を委託する部分契約を採用しました。この契約形態により、メーカーは冷蔵配送や店舗納品は自社で継続しつつ、より物流の流れの多い常温商品を外部へ委託することで自社の弱点であるに人手不足を緩和する形でアウトソーシングを実現。コストを抑えながら物流の品質を向上させることができました。 4. リスク管理とBCP策定 ポイント物流業務の外部委託は、事業者依存が大きなリスクになる可能性があります。万一のトラブルに備え、事業者のバックアップ体制や代替手段を事前に準備しておくことが重要です。また、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定も欠かせません。 ■ 3PL(サードパーティーロジスティクス)まとめ 3PL(サードパーティロジスティクス)は、物流業務を効率化し、企業の競争力を高めるための強力な手段です。固定費を削減し、物流業務全般を外部に委託することで、企業はリソースを中核事業に集中させることが可能になります。一方で、事業者選びやリスク管理を怠ると、依存リスクや改善の停滞といった課題が発生する可能性もあります。 物流アウトソーシングの成功には、自社の課題を明確にし、信頼できる3PL事業者を選び、柔軟な契約とモニタリング体制を整えることが不可欠です。今後の物流戦略において、3PLは欠かせない選択肢となるでしょう。 さらに、株式会社神谷商店では、御社が考える物流の規模や取り扱い物量に応じた最適なソリューションを提案することが可能です。初回のご相談時に、現在の運用状況や課題を共有いただければ、豊富な実績と専門知識に基づいて、様々な角度からの提案を行います。 具体的には、年間を通じた物流コストの試算や効率化のシミュレーション、さらには物流倉庫の運用改善案など、御社のニーズに合ったカスタマイズ提案が可能です。また、専門スタッフが担当者様と直接お打ち合わせを行い、課題やご希望をすり合わせた上で、物流運営の最適化を徹底的にサポートします。 物流効率を向上させたい、コストを削減したい、あるいは特殊な貨物の取り扱いに悩んでいるなど、どのようなご要望にも柔軟に対応いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。 詳細なご提案やお打ち合わせのご予約については、下記リンクよりお問い合わせいただけます。株式会社神谷商店は、物流のプロフェッショナルとして、御社の事業を支える最適なパートナーを目指します。 ↓↓お問い合わせはこちら↓↓ 倉庫業から創庫業へ 株式会社神谷商店
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2024.11.13
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| 物流DX
「中小企業が取り組むべき物流DX!顧客ファーストで効率的な倉庫運営を!?
物流業界におけるデジタルトランスフォーメーション(以下、物流DX)の意義と、中小企業の倉庫がその導入により得られるメリットについて詳しく解説します。 中小企業の倉庫が「顧客ファースト」の姿勢で流動的な業務に柔軟に対応するために、物流DXがどのように貢献できるのかを中心に、物流DXの基本的な概要から具体的な導入方法、さらには顧客ニーズに寄り添った流動的な対応力の向上とその効果まで、幅広い視点で考察します。 限られたリソースの中で、物流DXを活用して競争力を高め、市場の変化に柔軟に対応するための道筋を、神谷商店の視点から考察していきます。 目次 ■物流DXの必要性と中小企業倉庫の役割 ■顧客ファーストを実現する物流DXのメリット ■中小企業向けの物流DX導入方法 ■流動的な業務に対応するための物流DX ■物流DXがもたらす未来と展望 ■まとめ ■物流DXの必要性と中小企業倉庫の役割 物流DXは、業務効率の向上やコスト削減を実現するために欠かせない取り組みです。 特に中小企業の倉庫では、限られたリソースの中でいかに高品質なサービスを提供し、競合との差別化を図るかが重要な課題となります。物流DXの導入により、次のような改善が期待されます。 まず、在庫管理の精度向上です。従来の手作業やエクセルでの管理では、どうしても誤差が発生しやすく、在庫切れや過剰在庫といったリスクが伴います。しかし、物流DXを通じて在庫の動きをシステムで一元管理することで、正確で効率的な在庫管理が可能となり、在庫リスクを最小限に抑えられます。 さらに、人手不足の解消にも効果を発揮します。現在、物流業界は深刻な人手不足に直面していますが、物流DXにより一部の業務を自動化し、労働力に依存しない運営体制を整えられます。例えば、ピッキングの自動化や入出庫の自動追跡システムの導入により、少人数でも高いパフォーマンスを発揮できる環境が実現します。 ■顧客ファーストを実現する物流DXのメリット 中小企業の倉庫が「顧客ファースト」の姿勢で運営されることで、顧客満足度の向上に直結します。物流DXがこれをどのように支えるのか、以下のポイントに分けて解説します。 リアルタイムの在庫情報の提供物流DXにより、顧客は注文時にリアルタイムで在庫情報を確認できるようになります。これにより、注文の処理がどれほど迅速に進むかを事前に把握でき、待ち時間への不安が軽減されます。 正確な需要予測物流DXのAI技術を活用することで、季節や過去の販売データを基にした需要予測が可能です。これにより、在庫切れを防ぐだけでなく、適切な人員配置や倉庫スペースの効率的な活用も実現され、必要なタイミングで確実に商品を届けられます。 ミスの減少と迅速なクレーム対応従来の手作業では、誤出荷や在庫不足などのミスが発生しやすいですが、物流DXによって業務がシステム管理されることでミスが減少します。万が一トラブルが発生しても、システム上で迅速に原因を特定でき、対応のスピードも向上します。このように信頼性の高い対応が、顧客の信頼獲得に寄与します。 ■中小企業向けの物流DX導入方法 中小企業にとって物流DXの導入は、初期投資の負担が大きく感じられるかもしれません。しかし、物流DXはすべての業務を一度に改革する必要はなく、段階的に進めることでコストを抑えつつ、着実に成果を上げることが可能です。 以下では、中小企業が取り組みやすい物流DX導入方法を具体的に説明します。 小規模なツールから始めるまずは、在庫管理のように影響範囲が限定的で、かつ効果が見えやすい部分からデジタル化を始めましょう。例えば、在庫状況をリアルタイムで把握できる管理システムや、簡単な業務フローのデジタル化を導入することで、業務効率が向上する効果を体感できます。このように、徐々に導入範囲を広げることで、無理なく物流DXを進めることができ、組織全体への負担も抑えられます。 クラウドサービスを選ぶ初期投資を抑えたい中小企業には、クラウドベースの物流DXツールが特におすすめです。クラウドサービスを活用することで、社内にITインフラを新たに構築する必要がなく、サーバー管理やデータバックアップもプロバイダーが対応してくれるため、負担を大幅に軽減できます。さらに、クラウド上での情報共有により、倉庫全体で在庫情報や出荷状況がリアルタイムで確認できるようになり、部門間のスムーズな連携が図れるというメリットもあります。 専門的なサポートの活用物流DXの導入に不安を感じる場合は、外部パートナーのサポートを活用するのも非常に有効です。物流DXに詳しい専門業者やコンサルタントと提携することで、初期設定やカスタマイズ、運用サポートなどをスムーズに進めることができます。外部パートナーのノウハウを活用することで、自社の業務に最適化されたシステムを構築しやすく、より早い段階で効果を実感できるでしょう。また、導入後のアフターサポートがあることで、システムの運用がより安定し、効率化を維持しやすくなります。 ■流動的な業務に対応するための物流DX 物流業務は、予期せぬ需要変動や顧客からの急な要望に応えるため、流動的であることが求められます。物流DXによって、迅速かつ的確に変化に対応する体制を整えることが可能です。 特に、リアルタイムのデータ活用が重要です。物流DXによって、需要予測や在庫状況、配送ルートの調整などを瞬時に行えるため、変動する需要に即座に対応できます。加えて、AIによる需要予測を活用することで、予測精度が向上し、繁忙期や閑散期の調整がスムーズに行えます。 また、物流DXの一環として、自動化されたピッキングシステムや配送ルートの最適化も有効です。これにより、業務の効率が向上し、少人数でも高いサービスを提供することが可能になります。 ■物流DXがもたらす未来と展望 物流業務は、予期せぬ需要の変動や顧客からの急な要望に応じて迅速に対応できる柔軟性が求められます。物流DXの導入により、こうした変化に対しても迅速かつ的確に対応する体制を整えることが可能となります。これにより、従来の方法では難しかった多様なニーズに応えられるため、顧客満足度の向上にもつながります。 特に重要なのは、リアルタイムのデータ活用です。物流DXを通じて、需要予測や在庫状況の把握、配送ルートの調整などを瞬時に行えるようになり、変動する需要に対して即座に対応することができます。例えば、繁忙期に備えて在庫を適切に確保したり、閑散期には在庫調整を行ったりすることで、過剰在庫や欠品のリスクを軽減できます。加えて、AIによる需要予測を活用することで、従来の経験や勘に頼らずとも、予測精度が大幅に向上し、繁忙期や閑散期の対応が一層スムーズになります。 さらに、物流DXの一環として導入できる自動化技術も大きなメリットをもたらします。自動化されたピッキングシステムや、配送ルートの最適化を行うことで、業務効率を高め、少人数のスタッフでも高いサービスレベルを維持できます。これにより、少ないリソースでも顧客ニーズに応えられる体制が整い、無駄のない効率的な業務運営が可能となります。結果として、企業全体の競争力向上にもつながるでしょう。 ■まとめ 物流業界において、デジタルトランスフォーメーション(物流DX)は、中小企業が効率的で顧客ニーズに応えられる倉庫運営を実現するための重要な鍵です。 物流DXを導入することで中小企業が得られるメリットや具体的な実施方法について解説しました。物流DXの導入は在庫管理の正確性や人手不足の解消に寄与し、顧客が求める迅速で柔軟な対応が可能になります。また、クラウドサービスや専門サポートを活用することで、コストを抑えながら段階的な導入が可能です。 変化する顧客ニーズに対応しながら業務効率を向上させる物流DXは、今後の成長において中小企業にとって欠かせない存在となります。 物流DXを活用し、顧客の期待に応えられる倉庫運営を目指し、持続可能な競争力を築きましょう。
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2024.06.18
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物流アウトソーシングと中小企業の物流DXの課題に挑む
■こんにちは!安田です!! 最近、物流アウトソーシングが企業の競争力向上の一助として注目されています。その中でも物流DX(デジタルトランスフォーメーション)については、補助金や各地方自治体の助成金など様々な支援策が進められています。特に中小企業にとっては、効率的な物流DXを進め、さらに物流運営を実現するための重要な手段となります。しかし、物流業界におけるDXはまだ道半ばであり、多くの中小企業が様々な課題に直面しています。この記事では、物流アウトソーシングのメリットを検討しつつ、中小企業が物流DXを進める上での課題と解決策について考察します。 ■物流アウトソーシングのメリット 物流アウトソーシングには多くの利点があります。まず、専門知識と技術を持つ外部企業に物流業務を委託することです。物流業務は基本的に専門性が高く、ノウハウや経験を持つ物流会社に任せることで、より効率的かつ効果的に業務を進めることができます。その結果コスト削減につながる可能性があります。 さらに、物流業務を外部に委託することで、自社のコア業務に集中できるというメリットもあります。例えば、製造業であれば、製品の開発や生産にリソースを集中させることができます。また、自社で物流に関する保管場所や人員を抱える必要がないため、業務の波動や変動にも柔軟に対応できると考えられます。 ■中小企業が抱える物流DXの課題 物流DXは、物流業務の効率化と顧客サービスの向上を目指すものであり、デジタル技術の導入が不可欠です。しかし、中小企業にとって物流DXにはいくつかの大きな課題があります。 1. 初期投資の負担 物流DXを推進するためには、ITインフラの整備やシステム導入が必要です。これには多額の初期投資が必要であり、中小企業にとっては大きな負担となります。特に、既存のシステムとの統合やカスタマイズが必要な場合、そのコストはさらに増大します。 2. 人材の不足 物流DXを進めるためには、ITに関する専門知識を持つ人材が必要です。しかし、中小企業ではこうした専門人材を確保するのが難しい現状があります。特に、物流業務とITの両方に精通した人材は希少であり、競争も激化しています。 3. 業務プロセスの変革 デジタル技術の導入は、単なるシステムの導入に留まりません。業務プロセスの全面的な見直しと改革が求められます。しかし、長年の業務慣習を変えることは容易ではなく、社内の抵抗も考えられます。 〇解決策と取り組み 物流業界の中小企業がこれらの課題を克服するためには、どのような取り組みが必要でしょうか。神谷商店が考える解決策をいくつか紹介します。 取り組みその1:外部の専門企業との協力 物流アウトソーシングは、中小企業が物流DXを進める上で有効な手段です。物流DXに詳しい専門業者を活用し、自社の物流DXを進めることでスムーズな導入が可能です。 取り組みその2:公的支援を活用 政府や地方自治体は、中小企業の物流DXを支援するための様々な助成金や補助金を提供しています。これらを活用することで、初期投資の負担を軽減できます。また、専門家によるコンサルティングサービスや研修プログラムを活用することで、人材の育成を図る事も可能です。 取り組みその3:社内コミュニケーションの強化 物流DXを成功させるためには、社内の理解と協力が不可欠です。新しいシステムやプロセスの導入に際しては、従業員に対する説明会や研修を実施し、理解を深めてもらうことが重要です。変革の目的やメリットを明確に伝えることで、社内の抵抗を減少させることができます。 取り組みその4:小規模からの段階的導入 一度に大規模なDXを行うのではなく、小規模なプロジェクトから段階的に進めることも有効です。特定の業務プロセスや部門からデジタル化を開始し、その効果を検証しながら徐々に範囲を拡大する方法です。これにより、リスクを最小限に抑えつつ、確実にDXを進めることができます。 ■神谷商店が進めている物流DX 神谷商店が物流DX化を進める上での問題とその解決策について、物流担当者の山本さんとの対談形式で話を伺いました。 ▶戦略的パートナーシップの構築 山本「物流DXを成功させるためには、自社だけでなく専門企業と信頼できる関係を結ぶことが重要です。」 安田「実際に自社だけで完結できない理由は何ですか?」 山本「まず、物流の専門家はいますが、システムを構築できる専門家がいないこと。次に、業者が提供する倉庫管理システム(WMS)では柔軟性に欠け、使いづらいと感じることがあります。」 安田「なるほど。そこで信頼できる業者とパートナーシップを組み、自社の使いやすいシステムを構築する必要があるのですね。」 山本「そうです。そうしないと、物流DXに投資しても生産性や効率、品質が向上しない可能性があります。」 ▶WMSとHHT(ハンディ端末)で物流DXの実施 山本「安田さんは物流業務についてどんなイメージを持っていますか?」 安田「通常の入出庫管理や翌日の準備、トラックへの積み込みなどですかね?」 山本「そうですね。基本的な業務としてはあってますが、詳しく話すと物流業務は常にお客様優先で考えているので、突発的なオーダーにも柔軟かつ流動的に対応することが求められますがその反面業務を柔軟かつ流動的に対応するために現状では作業者の能力に依存する部分が大きく、それが作業の属人化につながっています。」 安田「それなら、物流DXを導入することでその問題を解消できるのではないでしょうか?例えば、WMSとハンディ端末を連携させてリアルタイムに倉庫状況を把握し、誰でも同じ効率で作業ができるようにすることです。」 山本「その通りです。物流業務は常に変化するので、品質を落とさずサービスを提供するために、中小企業こそ物流DXを行う必要があります。」 ▶継続的な改善 山本「物流DXは一度で完了するものではありません。正直な話をすると、物流DXを行うにもその業務に従事する作業者が必要になります。現在の人員だと一気に改善するための人員の確保が難しく、継続的な改善が必要となります。」 安田「なるほど、現場では、通常業務を行いながら、物流DXの改善に取り組んでいくんですね!さらに継続的にPDCAサイクルで行動・改善し新しい技術や手法を取り入れることが重要になるんですね。」 山本「物流DXの担当者としては、常に改善を行いながら最新の技術やトレンドに常にアンテナを張り、サービスの向上を積極的に学び続けることが目標です。」 安田「山本さん、ありがとうございました!これからも一緒に物流DXや物流アウトソーシングを頑張りましょう!」 ■まとめ 物流アウトソーシングと物流DXは、中小企業にとって重要な課題です。これを乗り越えることで競争力を高めることができます。物流DXの推進には初期投資や人材の確保といった課題がありますが、公的支援の活用や段階的な導入、社内コミュニケーションの強化などの取り組みを通じて克服できます。 神谷商店としては、戦略的パートナーシップの構築、データの活用、柔軟な対応力、継続的な改善といった視点を持ち、物流アウトソーシングと物流DXを効果的に活用していくことが必要だと感じています。物流DXを行うことで、中小企業の物流業務を効率化し、顧客サービスの向上を実現することができるとかんがえます。 これからも、中小企業が抱える物流DXの課題に立ち向かい、物流アウトソーシングを積極的に活用することで、未来に向けたサステナブルな成長を目指しましょう。
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